Monday, May 12, 2008

ラテンアメリカの自立生活運動

コスタリカでは、通訳もしなくてはならなくて、日常的なものはまぁ問題ないにしても、専門的な用語は少し仕込んでおいた方がいいので、ネットで色々調べていると、ちょうど自立生活運動の歴史を書いたPDFファイルが見つかったので、ダウンロードして読み始めている。[PDF]
自立生活運動の哲学から、歴史、そして各国の歴史、これからの未来と課題などが書かれていて、本一冊がファイルになっているので、300Pにもなる。ひとまず、ラテンアメリカの自立生活運動のところから読み始めたら、日本の歩みとも重なるところもあってなかなか興味深い(同じ文章の英語版がここにあった)。

ラテンアメリカの自立生活運動はブラジルから始まっているようで、実際スペイン語で自立生活センターを意味する、Centro de Vida Independienteを検索すると、そのほとんどがブラジルのものであることが多い。自立生活運動の考え方が80年代に広まったのは、日本と同じで国連の障害者年がきっかけになっているのも同じ。88年の8月にアメリカの障害者運動のリーダーとの接触があり、その12月には、リオデジャネイロに初めての自立生活センターができている。[Centro de Vida Independiente Rio de Janeiro]2003年時点で、ブラジル国内では20の自立生活センターがあり、1999年には、日本のJILにあたる、CVI Brasilができている。西宮の友好都市であるロンドリーナ市にもセンターがあるようだ。2001年には、メキシコでラテンアメリカの自立生活センターのネットワークができており、19の国が参加している。

国連の障害者年があって、アメリカの自立生活運動の指導者との出会いがありというのは、日本とまったく同じ。代表が障害者自身でなければならないとか、組織の決定の過半数は障害者でなくてはならないなど自立生活センターを規定する諸々の項目もそのまま敷衍している。まだそこまで読んでいないが、ブラジルやラテンアメリカ、第3世界特有の問題もあるようだ。というか、今やブラジル・ベネズエラなどは資源大国で、アルゼンチンは食糧資源の宝庫。第3世界という用語ももはや死語ですね。昔読んだセリーヌの小説で、第一次世界大戦前のヨーロッパで、南米からの移民が大威張りで歩いているといったシーンがあったのを思い出した。日々きな臭い匂いがしてきて怖いね。

No comments: