この記事を書いてから、ほんとに何年かぶりにアナ・ガブリエルのCDを出してきて、懐かしく聞いてみたり、Youtubeでライブを見たりしてると、たぶん彼女の一番有名な曲で、1989年のヒット曲"Quién como tú"で歌われているシチュエーションが昔から今ひとつよく理解できていなかったことを思い出し、週末ぐらいから再チャレンジしてみた。わたしと彼と彼女が出てくるのだけれど、彼だったはずの所が、彼だか彼女がよく分からなくなって頭が混乱する。
誤解の始まりは、女性が「あなた」と呼びかけているのは、別れた彼のことだとばかし思っていたのだけけれど、よくよく考えると、どうもそうではなく彼を奪った恋敵のことだったんだ、と長年の疑問が氷解した。だから、訳詞はこんな感じになります。
彼の枕の香水の匂いを、あんたはよく知ってるわね、
真っ白いシーツの湿り気も、
あんたは運がいいわ、彼を自分のものにできるんだから、
蜜の味がする彼の唇を感じてね、
あんたが、彼に愛の言葉を語るの見て、時間は止まってくれない、
私は外にいて、待つ人もいない、
あんたみたいな!毎日、毎日彼といる、
あんたみたいな!彼はあんたの腕の中で眠っている、
あんたみたいな!
あんたみたいな!毎夜、毎夜、彼の帰りを待っている、
あんたみたいな!優しく彼の熱を冷ましている、
あんたみたいな!
狂ったような夜を、あんたは味わっているのね、
彼の腕の中では時間を忘れてしまう、知ってるわよ、
あんたが、彼に愛の言葉を語るの見て、時間は止まってくれない、
私は外にいて、待つ人もいない、
あんたみたいな!毎日、毎日彼といる、
あんたみたいな!彼はあんたの腕の中で眠っている、
あんたみたいな!
あんたみたいな!毎夜、毎夜、彼の帰りを待っている、
あんたみたいな!優しく彼の熱を冷ましている、
あんたみたいな!
色々調べているうちに、この曲を作ったきっかけを語る彼女のインタビューを発見。
AG: "Quién como tú"を書いたときは、最悪だったの。人生で最も好きだった人が、他の人と結婚しちゃった。わたしは、結婚しないでって頼んだのだけど。だからこの曲はそのライバルに対して書いたの。
--いくつだった?
AG: 28くらいだったかしら....そのあとその人が戻ってきたとき、"Es demasiado tarde"を書いた("Es demasiado tarde"は「遅すぎるわよ」)。
90年の暮れだったか、メキシコシティからバスで北上して、やっとロサンジェルスに着いた。ダウンタウンのメキシコ人街のディスクショップで、「アナ・ガブリエルの新しいのある?」って聞いたときに店のセニョーラが教えてくれたのがこの曲"Es demasiado tarde"だった。彼女が初めて出したランチェーラの曲だったんじゃなかったかと思う。
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