Monday, March 5, 2007

Letters from Iwo jima


泊まり明けは雨。予想どおりでそのまま歩いて阪神の駅まで戻る。春の温かい雨。きれいだ。駅に着くとなんだか映画でも見たい気分になってきて、家とは反対方向神戸方面へ向かう特急に乗った。
国際会館の松竹。最上階の庭園にも雨がどんどん降っている。
映画は『硫黄島からの手紙』。これはもの凄い映画だと思う。昨今の国威高揚映画をつくっている人たちは「恥ずかしい」という言葉を知るべきだろう。この映画に比べれば、今まで作られたすべての戦争映画は、たとえ反戦映画だと呼ばれているものでも、それは、戦争の「ために」作られたのだと思えてしまうくらいだ。この映画は、戦争に抗い、あのおちゃらけた『ラスト・サムライ』を作ってしまったハリウッドに抗い、そうしたものすべてを産み出している現代のアメリカに抗っている。ほんとうにヒロイックな演出も全くなく、ごろごろと無意味に人が死んでいくシーンがつづいてつづいていく様は、これが新たなリアリズムであり、アメリカはすでに戦後を生きはじめているのだと教えてくれる。
さて、ぼくらはどうするんだろう?冒頭の慰霊碑の題字を書いた人の孫が今の日本の首相なのだが。

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