Saturday, September 13, 2008

『パルチザン前史』

ふう。昨日作った焼きそばに、すじこん入れてそばめしにして食ってやった。卵を割って半熟にして。超うまい。しかし食い過ぎだな。

昨日の休日は、JR新長田の駅前にできた神戸映画資料館に小川伸介と土本典昭のドキュメンタリーを観に行った。小川伸介は『牧野物語・峠』。土本は『パルチザン前史』。全共闘運動の末期、京大・同志社・大阪市大での闘争を追っている。機動隊に突入されだんだんエネルギーが消耗する課程を、京大パルチを率いる滝口修を中心にカメラに記録している。(「全共闘を解体せよ!全共闘の既成性、自然発生性を解体せよ!全共闘をソヴィエトへ、労学ソヴィエトへ、革命的に解体せよ!」(滝田修、『パルチザン前史-京大全共闘〈秋〉のレポート』69年12月))。
全共闘運動というのは、余程興味を持って色々知ろうとしないと今では過去のものになっているし、当事者も含め、過去のものにしたい人もたくさんいるだろう。映像もそうで、東大の安田講堂が機動隊に突入されるシーンは何度もテレビの番組で引用されるけれど、それ以外は皆無に近い。ぼくも今回初めて、活動家の間近で、卑近な行動を見たと思う。
ぼくらが大学に入った頃は、学生運動=ダサイって感じで、学生運動やっている人は風呂にも入らず、身なりも気にしないなんて思われていたけれど、今回まず最初に感じたのは、みんな意外にちゃんとしていて、しかもオシャレじゃん、って思った。
たとえば、ゴダールの描く活動家は、彼が引用するからおしゃれに見えるんだって思っていたけれど、じつはゴダールはけっこう、当時の若者のファッションをかっこいいなって思って撮ってたんだと思う。
デモに、女の子も混じっているし、街で買い物してそのまま来ましたって感じの女の子が、活動家が会合をしているのを遠巻きに眺めていたり。その感じは、先年ベルトルッチが『ドリーマーズ』で描いたものとほとんど違いがないと思った。世界中の若者たちが(たとえばビートルズを聴きながら)同時に同じことをしていたんだというのが、いくつかの映像を並べてみてみると実感することができる。

ぼくの母校や、大阪市大にも機動隊が突入してバリケードの封鎖が解かれる。思えばここで書いた表さんは市立大学の全共闘の議長だったから、まさにあのバリケードの内側にいたわけだ。この映画の中心人物の滝口修も映画の中で予備校の講師をしているし、よく知られているように東大の山本義隆もそう。ぼくが駿台で表さんの授業を受けていたのは81~82年頃だからこの敗北から10年ほどの時期。10年くらいで色々な思いがこなれているとは思えず、当時の表さんの心うちというのはどんなものだったんだろうと改めて想像する。

そして、この2年後には『さようならCP』が来る。学生運動崩れの活動家が、障害者運動の支援者になったとも聞く。ここで始まった障害者の運動はまだつづいているし、結局運動は必要なところでは否が応でもつづけなくてはならないということだ。ラテンアメリカで解放の神学や社会主義がずっと必要とされつづけているようにね。

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