この本は、プロザックなどの90年代以降に出てきた新種の抗鬱剤が、自殺を誘発する危険がありながら、企業が適切な対応を取らなかったことを告発したもので、原書のタイトルはもっと刺激的な、『プロザックを食べたらいいじゃない』(マリー・アントワネットが、食べるもののない民衆に「ケーキを食べたらいいじゃない」と言ったことをもじったらしい)。企業の研究者や関係者が、献金などで癒着して危険を知りながらなかなかそれを表だって言わないのはタミフルと同じ構造。プロザックを開発したリリー社は、抗鬱剤を飲むような人はもともと自殺をするような傾向を持った人だったと抗弁しつづけていた。著者はそうであるけれども、こういった薬には、それにも増して、危険を助長する傾向があることを明らかにしていく。ちなみに、プロザックは日本では認可されてません。そういえば、プエルトリコで音楽のプロデューサーをしている知人に、この人は本職が薬剤師さんでもあるのですが、「ちょっと最近精神的に落ち込んでて」ってメールに書いたら、「プロザックを飲みなよ」って返ってきたことを思い出します。90年代のことでした。なんだかそんな感じの時代だったんだなって思います。
それにしても、23歳という年齢を思っていると、昨年この年齢を目前にして、同じように自分以外のものに毒づいて死んでいった利用者の男の子のことを思い出していた。理想と現実のバランスが崩れる最初の関門なのか。シナリオを書いて、ある種のカタルシスを得ていたところも似ているね。
No comments:
Post a Comment