Wednesday, March 21, 2007

「ビル・ヴィオラ はつゆめ」


兵庫県立美術館に、「ビル・ヴィオラ はつゆめ」展を見に行ってきた。ビル・ヴィオラは、1951年ニューヨーク生まれのヴィデオアーティスト。ナム・ジュン・パイクなどからヴィデオを学んだらしい。これまであまり知らない作家だったので、どんなものかほとんどイメージがないまま行った。1時間ほど上映時間がある「はつゆめ」の最終が、4時半だったのでその前に行ったのだが、すでに満席になっていた。今日は最終日だったので、もう1回上映が追加され、何とか1時間後に見ることができた。何を期待していたか、自分でよくわからないのだけれど、期待以上のものを見たという感想を持って帰った。はじめて見るようなものばかりなので、感想自体をどう書いたらいいのかもよくわからない。どの作品も異常ににモーションを落とした速度で、上映され、日常では気づかされないような人間の行動とか心理とかが、浮き彫りになっている、とでもとりあえずは書いておけばいいのだろうけれど、でも、感動している点は、どこかそういった言葉では表せないものだと思う。映像に連動して、いままで感じたことのないような感情が、自分の中に表れて、どんどん興奮していくのが自分で分かる、といった感じだろうか。
「はつゆめ」は、1981年、ヴィオラが1年日本に住んで、ソニーの協力を得てつくったものだ。今回のはデジタル・リマスター版ということ。1981年の日本は、まるでぼくが初めて韓国へ行ったときに感じたような印象だ。ほとんどこの国とは思えないくらい違和感がある。日本ではないどこかのアジアの国。手法は同じ、映像はどんどん速度を落とし、ほとんど気持ちいいくらいにそれを感じてくる。ぶれて使い物にならないような映像も挟み込まれて、結局映像の質なんてものは二次的なものなんだと思う。それをどう使うかという問題。

予定より遅くなって、おなかがすいたので、元町まで出て、「丸玉食堂」で焼きビーフンとハムとビールで夕食。なんとなくひとりで手持ちぶさたなときとか、落ち込んでるときはここへ行ってしまう。台湾人の一家で経営されているこの店の人たちはひたすら、料理をつくったり店を切り盛りしているので、余計なおしゃべりをする必要もない。ぼくはたいてい、親父さんが中華鍋を、小刻みにリズムを取りながら動かしているコンロの前に座り、親父さんがつくったまだ熱々のやつをそのまま、直接もらって食べ、何というかつくった料理の熱を身体の中に伝えるような感覚で満足感を得る。ホッとしてなんだか救われたような気分でビールを一本。今日もまたなんとか凌いだかな。

2 comments:

Anonymous said...

ビルヴィオラって懐かしい!イメージフォーラムの授業で15ねんまえに観ましたが、実はあまり覚えていません(汗)。ところで、ブログにコメントをありがとうございました。スペイン語はすごく難しいです。ほんと
動詞の活用からやらないと・・・・今週テストで気が重いです。

Takeshi Inoue said...

テストかー。いいなぁなんか。今ちゃんとやってたら後が楽だから頑張ってください。