Friday, March 16, 2007

みんなでいっしょにごはんをたべる。


一昨日、定例の利用者宅食事会。みんなで数えていたらこの晩で9回目になっていた。昨年7月から毎月一回欠かさずだからたしかにそうだ。誰か利用者の人の家へ行き、その利用者と一緒につぎの利用者の家へ行って、みんなでいっしょにごはんを食べて、お酒を飲むという単純といえば、単純な企画。けれども、それまで誰も思いつかなかった。
 「地域で暮らす」というのは、老人、障害者問わず、現代の福祉のキーワードとなっている。が、現実は、地域で暮らしはしても、他との係わりを失って、孤立することも多い。とくに、ぼくらが働いてる、自立生活センターの理念は、個人による自己決定が基本なので、利用者は、まず「個」に還元されてしまう。ぼくらがやろうとしているのは、その点と点をあらためて繋いでみようという試みだ。ウェブ状に人と人が繋がっていくのをイメージすると考えやすいと思う。
昨年7月いちばん最初の食事会が終わって外へ出た。日づけはもう変わっていた。介助にかかわる職員であるぼくたちは、何か得体の知れない高揚感で興奮していた。何か新しいことを始めた。みんながずっとこんなことがやりたいと思っていたのに、なかなか実現できなかったことがやっと叶った感じ。ぼくは、こんな身近にバリアがあったんだとあらためて思った。そしてそれを突破した。ベルリンの壁が崩れたようなものだ。あるいは、わだかまりがあった友人との仲がうち解けて、溶解したような感覚か。参加者のひとりひとりが、どんなことを思っているかはわからないけれど、ぼく自身は、ぼく自身がいちばん救われていると思う。時間が経つ毎にそんな印象は深まっている。
こうした動機が、引きつづいているので、今も飽きずにやれているのだろう。今回はネパールからの研修生も参加してくれた。来月はもうすぐ部屋を借りて、一人暮らしを始める女性のお宅で、引越祝いを兼ねてやる予定。

2 comments:

Anonymous said...

はじめまして。ミントといいます。
在宅介護従事者です。たまたまみつけた今井さんのHPから来させていただきました。
お食事会。いいですね。「得体の知れない高揚感に興奮していた」というところにとてもココロ引き寄せられました。私もケアとしてだけでなく、共に地域に暮らしている人同士としても付き合えると本当に楽しい、いいだろうなって思うことがあります。
ときどき覗かせていただけたらうれしいです。

Takeshi Inoue said...

こんにちは~。ようこそ。

そこまでできてるかどうかは、分からないけど、「共に地域に暮らしている人同士としても付き合えると本当に楽しい、いいだろうな」っていうのが、やっぱりぼくらが、食事会をはじめる動機だったと思います。
とにかく楽しいというのが、つづけられる秘訣ですね。

またどうぞ、覗いてください(^o^)