Saturday, April 5, 2008

Mr.lonely

昨夜、シネカノン神戸のレイトショーでハーモニー・コリンの『ミスター・ロンリー』見に行く。最終日だったからか、8時半の開映にもかかわらずそこそこお客さんも入っていた。
デビュー作の『ガンモ』や前作『ジュリアン』は、かなり話題になっていたようだったけれど、前作はすでに8年前、このころぼくはまったく映画を見ていなかったので、これらの映画も、監督のハーモニー・コリンについても今回初めて知った。
しかしこれはとてもいい映画だと思う。感動した。マイケル・ジャクソンの真似をする、パリに住むアメリカ人のものまね芸人が、やはりアメリカ人で、マリリン・モンローのもの真似をする女性に出会って、彼女に誘われて、スコットランドのものまね芸人のコミューンに行く、というメインのストーリーに、ニュージャーマンシネマの監督、ヴェルナー・ヘルツォークが演じる神父が布教するパナマのストーリーが平行して挿入される。
これだけ書いてしまうと、訳わからないだろうけれど、この映画には、孤独とか行きすぎてしまう欲望とか、人間であったらどうしようもなく持ってしまう様々な感情が詰まっていて、胸が苦しいくらい。日本でも一時やたらモノマネ番組が流行った頃があったけれど、あれは、モノマネの方が真実っぽいという風に、みなが感じるようになった転換点だったのだと思う。この映画はそうした人の本質をよく見ていて、一見おかしな人たちも物語だという風に見ていたのが、これはまさしく現実の私たちがやっていることそのものなのだと思えてくる。

『ジュリアン』にも出ていた、ヘルツォークの映画から神父のストーリーのモチーフは出ているのだろうけれど、それが常軌を逸した人の物語ではなく、ごくごく目の前で行われているように淡々としているのは、『ジュリアン』を評した浅田彰が言うように、時代がそうしたものに飲み込まれてしまったということか。
浅田彰も、ここでヘルツォークの『小人の饗宴』と対比をしているけれど、この映画の最後芸人たちが、一世一代のショーをするところは、まさしく『小人の饗宴』そのものだった。
過去の作品もチェックしようと思う。監督のインタビューはこちら

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