Thursday, May 29, 2008

ランジェ公爵夫人

今日は、職場の障害当事者スタッフが、シンガポール航空に搭乗拒否されたことに対して起こしていた裁判の控訴審判決の日。午後から大阪高裁に集まって判決を聞く。結果は棄却されたが、原告が搭乗拒否される理由はないとつけ加えられており、実質勝訴と同じ。みんなまあまあ満足な感じで散会した。

夜の仕事まで時間があるので、シネ・ヌーヴォまで行って、79歳になるジャック・リヴェットがバルザックの小説を映画化した『ランジェ公爵夫人』を見る。19世紀パリの社交界を舞台にした恋愛映画。恋愛と言っても、ひたすら微妙なやりとりと駆け引きが繰り返されるだけ。即興の演出で知られるリヴェットは今回、かなりきっちりしたプランを立てて、そのとおりに演出したらしいけど、一見した感じはいつものリヴェットの感じから遠く離れたような気はしない。テロップが間にはさまってつづいていく語り口もいつものリヴェットと同じだった。映画が自動的に語られるのではなく、明らかに語っている何かがあるという感覚。でもそれは監督かというとそうでもない。

(あらすじ)パリの華やかな舞踏会でランジェ公爵夫人は、モンリヴォー将軍と出会う。公爵夫人に激しい恋心を抱くモンリヴォー。公爵夫人は思わせぶりな振舞いで彼を翻弄し続ける。追い詰められたモンリヴォーは、たしなみや信仰を理由に拒絶する公爵夫人を、誘拐するという手段に打って出る。それを機に恋に目覚めた公爵夫人。彼女はモンリヴォーに熱烈な手紙を送りはじめるが、彼は徹底的に無視する。拒絶されたと思いこんだ公爵夫人は、失意のうちに世俗社会から離れてゆく・・・。

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