昨日。泊まり明けで帰宅して、風呂に入ってご飯を食べ、昼寝して仮眠。手許に読むとも読まないともなく置いてあったマルクス・アウレリウスの『自省録』をふと取って、ぱらぱらとめくって、目についたところを読んでみる。神谷美恵子さんの訳。
人は田舎や海岸や山にひきこもる場所を求める。君もまたそうした所に熱烈にあこがれる習慣がある。しかしこれはみなきわめて凡俗な考え方だ。というのは、君はいつでも好きなときに自分自身の内にひきこもることが出来るのである。実際いかなる所といえども、自分自身の魂の中にまさる平和な閑寂な隠家を見出すことはできないであろう。この場合、それをじいっとながめているとたちまち心が完全に安らかになってくるようなものを自分の内に持って居ればなおさらのことである。そして私のいうこの安らかさとはよき秩序にほかならない。であるから絶えずこの隠家を自分に備えてやり、元気を回復せよ。そして(そこには)簡潔であって本質的である信条を用意しておくがよい。そういう信条ならば、これに面と向うや否やただちにあらゆる苦しみを消し去り、君が今まで接していたことにたいして何の不服もいだかずにこれにもどって行けるようにしえ返してくれるだけの力は充分持っているであろう。
ところでいったい何にたいして君は不満をいだいているのか....
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