Saturday, February 2, 2008

el adiós #2

祐樹の二回忌で、氷上の実家までお参りに行ってきた。去年兄と一緒に、一回忌で帰ったときには行けなかったお墓へも参ってきた。
それと、お母さんがぼくが去年渡した、撮影した原テープに不満があると兄から聞いていたので、そのことを話す目的もあった。お母さんの不満は、知らなくてもいいことまで、知らされたということだった。子供にも親には知られたくないプライバシーというものがあるのだから、それは尊重してほしかったということだ。とくに女の子とのことなど、親には知られたくないだろうから。ほとんどはもっともなことだと思った。配慮も足りなかっただろう。
しかし、作品にして、何を切って何を残すのかがとても難しいのと同じで、結局のところ万人や、誰それのためでも、正確な線引きをするのはとても難しい。お母さんは、知りたくないことも知ってしまったのかも知れないけれど、でなければ、まったく知ることができなかった可能性もあった。どちらかを選べと言われるたら、果たしてどちらがよかったのか。
今回お母さんの言い分も撮影しようと、カメラを持って行っていたが、結局使わずじまいで帰った。今回ぼくはまったく福祉的な人だった。お母さんの言葉を受け止め、自分の中で消化して、馴染ませるようにして返していた。カメラは、その場にとげとげしいものを入れるような気がしてどうしても手にすることができなかった。
だめだなぁって思いながら、帰りの舞鶴道の雨降りをワイパー越しに見て車を走らせていると、これも現実だから、あえて追加に撮影などいらない気もしてくる。
このビデオは、祐樹のことを作品にしているぼくのことを語ったものにもなるし、彼に対する愛憎の物語、結局人生は愛したり憎んだりして、進んでいくのだという。

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