Wednesday, October 14, 2009

介助者たちは、

今月24日に、以下のような企画で少し話すことになりました。いくつかのポイントで話せることがあると思うのですが、さてどこポイントで話そうかな?って感じです。企画の前半でお話しされる山下さんの『健常であることを見つめる』は、青い芝時代に存在した介助者の会、グループ・ゴリラについて実際にゴリラに所属していた人たちにインタビューした力作です。一読して、障害者と介助者には、なんというか愛憎のドラマツルギーみたいなものがあって、お互い離れては生きていけないはずなのに、まるで夫婦が行うようなトラブルを繰り返しながら歴史を作ってきた。この時代に起こった問題は、ほぼそのまま現在にまでも持ち越されてるんじゃないんだろうか?と思ったのがまずの感想。

たとえば、ゴリラが青い芝本体によって潰された原因となったのは、施設から出てきたばかしの障害者たちが、なかなかすぐには、シャバの速度について行けず、社会性が身につかないままなのを健常者がカバーしているうちに、実権を健常者が持ってしまったことに対して、障害者側の怒りを買ったためと指摘されているが、自立生活センターが、とくに支援費以降事業所としての性格を強くしたのと同時に、事務を任される健常者に乗っ取られてしまったなどというのは、噂ではよく聞くし、実際JILなんかでも問題になっている。もっと身近に介助現場でも、介助のペースを介助者が決めてしまうなんてことは、目の前で起こってることでもある。

こういうことを介助者のぼくが言うと、障害者の人たちには、利用者の人にもっと能力を高めて欲しいっと言ってるようにすぐ取られてしまうのだけれど、そうじゃなくてたぶんそのときにぼくが言いたいのは、自立生活センター自身が自己決定という看板の下で、どこか能力主義的なところがあって、内部にも差別構造がある。介助者は、むしろその構造を内在化しているだけかも?って考えることもできる。青芝の時代にはそういうのってなかったのかな?って遡って見直してみることもいいかもしれない。原因はともかく、自立障害者の背後に自立できない膨大な数の障害者がいるのは事実だし、何となくそういうことに疚しさを感じながら、日々の活動をしていたりする。何か別な道、そういう構造を無効にしたり、障害者・健常者という区別自体を無効にしたりしてしまう方法とか、を夢想しながら。




以下企画のお知らせです。

介助者の生き方・働き方を考える集い in 大阪

「介助者たちは、どう生きていくのか?」パート2  

これから、介助者・介護者の生き方、働き方が問われてきます。これまで、地域で自立生活を送る障害者の介助の多くは無償でした。無償の中でも介護に入り続けてきた健常者はいました。その人たちはどのような思い、気持ちで障害者の介助に入り続けたのでしょうか?
2000年代に入り、介助が明確に仕事として位置づけられるようになりました。そして、障害者の地域生活が進展すると同時に介助者の数も増加しました。ボランティア感覚の人もいます。次の仕事が見つかるまでの腰掛け気分の人もいます。障害者の地域生活を支えることにやりがいを感じている人もいます。また、見えないところでしんどい思いをかかえている人もいます。介助・介護が仕事化していく中で、私たちにとっての課題は何でしょうか? 私たちには何か置き忘れたものはないでしょうか? 私たちが仕事を続けて行く上で必要なものは何でしょうか? そして、私たちは、どのような思いや気持ちでこの仕事を続けていくのでしょうか?
 今回の企画では、介助者・介護者のこれまで、今、これからについて、介助者・介護者として生き、働く人たちの声を聞きながら、いろいろな意見交換をしていきたいと考えています。



前半 
 トーク 「介助者・介護者たちはどう生きてきたか?」

山下 幸子
(障害学、介助者  著書に『「健常」であることを見つめる 1970年代障害当事者運動/健全者運動から』)


後半
 トークセッション 「介助者たちは、今どう生きているか? そして…」

〈出演予定〉
井上武史 (メインストリーム協会)
佐々木彩 (画家、介助者、陽のあたる毛の会)
廣川淳平 (JCILコーディネーター)
渡邉 琢 (かりん燈)
他ご来場の参加者のみなさん

日時:2009年10月24日(土) 18:30〜21:30(18:00開場)

場所:ドーンセンター (5階特別会議室)
(地図 http://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html)
・京阪「天満橋」駅下車。 東口方面の改札から地下通路を通って1番出口より東へ約350m。
・地下鉄谷町線「天満橋」駅下車。 1番出口より東へ約350m。

参加費:500円

お問い合わせ:かりん燈 mail:karintoukaijo(a)yahoo.co.jp (←(a)を@に変換してください。いたずらメール対策です)

協力:コマイナーズ

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