Saturday, January 20, 2007

Barry Lyndon


今日はぼくの誕生日なので、やはりここから始める。何かが生まれて、何かが死ぬ。何かが死んで、何かが生まれる。「なぜ、ぼくはこの映画がこんなに好きだったんだろう。初めて見たのは、14歳、中学2年の時だった。1976年、この映画の封切りのときで、梅新の東映パラスだったかと思う。夏で、劇場の中は、冷房がきいていた記憶がある。
ストーリーは、野望を持って、上流階級へのりだした男が、それを手にしたとたん、転落の道へ入ってしまうというものだけれど、今思うと、彼がほんとうに望んでいたのは、そんなものではなかったんだと今見ると、そう映画は言っているように見える。彼はだからわざわざ、成功から逃げ出すように、わざと自分で自分を貶めている。落ちていくときの寂寥感は、西洋のというより、どこか東洋的なものを感じさせる。
それにしても、いまだにこの映画がこんなに新しいのは、驚きだ。淀川さんが、キューブリックの映画はモダンダンスを見るようですね、とよく言っていたけれど、「モダン」でありつづけること、それはほんとうにすごいことだと思う。」